「きょうだい児」とは、障害や慢性疾患のある兄弟姉妹とともに育つ子どものことを指します。発達障害のある兄弟姉妹がいる家庭では、親の関心・時間・エネルギーがどうしても支援を必要とする子どもに集中しがちです。その結果、きょうだい児は独特の感情を心の中に積み重ねていくことになります。
現場で保護者からよくこんな相談を受けます。「上の子が最近、弟の真似をしてわざと赤ちゃんみたいに泣くんです」。こういった行動の背景には、きょうだい児が言葉にできずにいる複雑な感情が隠れていることが多いのです。
Contents
きょうだい児とは?どんな気持ちを抱えやすいか
きょうだい児が抱えやすい4つの感情
- 不公平感・嫉妬:「なんで○○ちゃんだけ特別扱いなの?」
- 責任感・役割負担:「自分がしっかりしなきゃ」という過剰な使命感
- 孤独・疎外感:親に話しかけにくい、友だちにも言えないという孤立
- 罪悪感:「こんなことを思ってはいけない」と感情を封じ込める苦しさ
「どうして○○ちゃんだけ違うの?」への答え方(年齢別)
3〜5歳:シンプルに「脳の働き方が少し違う」
「○○ちゃんはね、脳の中に”苦手なところ”があって、それが大きいから、お父さんお母さんがたくさんお手伝いしているんだよ」くらいのシンプルな言葉が伝わりやすいです。「あなたのことも同じくらい大切だよ」という安心感の言葉を必ずセットで添えましょう。
6〜9歳:「平等と公平の違い」を伝える
「みんなに同じことをするのが平等、でもみんながちゃんとできるようにサポートするのが大切。○○ちゃんには今たくさんのサポートが必要で、あなたには違うサポートが必要。どちらも同じくらい大事なんだよ」という説明が理解されやすいです。
ヒコ先生
放デイの現場でよく見かけるのは、きょうだいが「なんで○○くんは怒られないの?」と保護者に聞いているシーンです。そのとき「あなたはもうお兄ちゃんでしょ」と返す保護者さんが多いのですが、まず「そう思うよね、当然だよ」と受け取ることが、後の説明をずっと聞いてもらいやすくします。
放デイの現場でよく見かけるのは、きょうだいが「なんで○○くんは怒られないの?」と保護者に聞いているシーンです。そのとき「あなたはもうお兄ちゃんでしょ」と返す保護者さんが多いのですが、まず「そう思うよね、当然だよ」と受け取ることが、後の説明をずっと聞いてもらいやすくします。
きょうだい児の「我慢」に気づくサイン
| サインのカテゴリ | 具体的な行動・様子 |
|---|---|
| 行動の変化 | 急に赤ちゃん返り・以前好きだったことに興味を失う |
| 感情の変化 | ちょっとしたことで泣く・逆に全く泣かなくなる |
| 過剰な「良い子」化 | 何でも「いいよ」と言う・自分の欲しいものを言わなくなる |
特に「過剰な良い子」は見落とされがちです。「手がかからないから安心」ではなく、「気を遣いすぎて自分を出せなくなっている」状態の可能性があります。
きょうだい児の心をケアする具体的な関わり方
1対1の時間をつくる(週1回・15分でもOK)
「きょうだい児だけのための時間」を意識的に設けることが最も効果的なケアのひとつです。内容は何でも構いません。大事なのは「あなただけのために時間を使っている」というメッセージが伝わることです。
「ありがとう」をちゃんと言う
きょうだい児が協力していることを「当たり前」として流してしまわず、「○○してくれてありがとう、助かったよ」と言葉にして伝えることが、自己肯定感につながります。
やってはいけないNG行動
- 「お兄ちゃんだから・お姉ちゃんだから我慢して」と役割を押しつける
- きょうだい児の悩みを「それより○○ちゃんが大変」と比べる
- 「あなたはしっかりしてるから大丈夫」と過信する
ヒコ先生
「しっかりした子だから心配いらない」という見方が、一番リスクが高いと感じています。しっかりして見える子ほど、心の中に抱えているものが大きい場合がある。現場で長く支援してきて、そのパターンを何度も見てきました。「手がかからない」は「問題がない」ではありません。
「しっかりした子だから心配いらない」という見方が、一番リスクが高いと感じています。しっかりして見える子ほど、心の中に抱えているものが大きい場合がある。現場で長く支援してきて、そのパターンを何度も見てきました。「手がかからない」は「問題がない」ではありません。
まとめ
- 今週、きょうだい児と1対1で話す時間を作れたか確認する
- きょうだい児の「ありがとう」を声に出して伝える
- 「手がかからない」を「問題がない」と解釈しない
- 一人で抱え込まず、放デイや相談支援専門員に話す
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