放課後等デイサービスを利用するお子さんが欠席した日でも、スタッフが保護者に電話連絡をして情報収集・記録を行うと「欠席時対応加算」を算定できます。しかし、「どんな記録を残せばいいのか」「算定要件を満たしているか不安」という声を現場でよく耳にします。この記事では、加算の概要から記録の書き方・よくあるミスまで、実務に使えるかたちで解説します。
欠席時対応加算とは
欠席時対応加算は、利用予定日に欠席したお子さんの保護者等に対し、放課後等デイサービスのスタッフが電話等で連絡を取り、欠席の理由や体調・生活状況などの情報を収集・記録した場合に算定できる加算です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加算名称 | 欠席時対応加算(放課後等デイサービス) |
| 算定単位数 | 94単位/回 |
| 算定上限 | 月4回まで |
| 対象者 | 利用予定日に欠席した利用者(受給者証所持者) |
| 請求先 | 市区町村(国保連経由) |
算定要件の詳細
欠席時対応加算を算定するには、以下の要件をすべて満たす必要があります。要件の一つでも欠けると算定不可となるため、現場での運用ルールを整備することが重要です。
① 欠席の確認と連絡
利用予定日当日(または翌営業日)に、事業所のスタッフが保護者等に電話その他の方法で連絡を取ります。LINEやメールでの連絡も認められるケースがありますが、自治体によって解釈が異なるため、管轄の市区町村に事前確認することを推奨します。
② 情報収集の内容
欠席の理由(病欠・不登校・家庭事情など)、体調・生活状況、今後の利用見通しなど、支援に必要な情報を収集します。単なる欠席の確認電話では算定要件を満たしません。
③ 記録の作成・保管
電話等で収集した情報を記録として残す必要があります。記録には「いつ・誰が・誰に・何を確認したか」を明記し、5年間保管することが求められます(介護給付費等の請求に関する記録の保存期間に準じます)。
支援の現場で18年間働いてきて感じるのは、「記録の質が支援の質を決める」ということです。欠席時の電話一本も、ただ「休みを確認した」ではなく「今日のその子の状態を把握した」という視点で記録に残すと、次回の支援にしっかり活かせます。
電話記録の書き方と例文
記録は「日時・対応者・連絡先・確認内容・今後の対応」の5項目を基本とします。以下に、よくある3つの場面ごとの例文を示します。事業所の書式に合わせてアレンジしてご利用ください。
場面①:病欠の場合
【欠席時対応記録】
対応日時:2026年6月10日(火)10:15
対応者:〇〇(支援員)
連絡先:保護者(母)携帯電話
確認内容:昨夜から発熱(38.2℃)があり、本日は欠席とのこと。受診予定あり(午後、かかりつけ医)。食欲は少しあり、水分は摂れている状況。
今後の対応:回復次第、翌日以降の利用再開を確認する。次回利用日に体調・受診結果を確認予定。
場面②:不登校・登校しぶりの場合
【欠席時対応記録】
対応日時:2026年6月10日(火)15:30
対応者:〇〇(児童発達支援管理責任者)
連絡先:保護者(父)携帯電話
確認内容:学校も放デイも「行きたくない」と朝から強く訴え、家で過ごすことになったとのこと。身体的な不調はなく、気分的な落ち込みがある様子。保護者は「最近同じことが続いている」と話しており、現在の精神的な負担感を語っていた。
今後の対応:次回利用時に本人の様子を丁寧に確認。状態が続くようであれば、個別支援計画の見直しも含め保護者と相談予定。
場面③:家庭事情による欠席の場合
【欠席時対応記録】
対応日時:2026年6月10日(火)11:00
対応者:〇〇(支援員)
連絡先:保護者(母)携帯電話
確認内容:兄弟の学校行事(運動会)のため、家族で参加することになり本日は欠席とのこと。本人の体調・生活状況に変わりはなし。
今後の対応:次回利用日は通常通り来所予定。特段のフォローは不要と判断。
よくある算定ミスと注意点
実地指導や監査で指摘されやすいポイントをチェックリスト形式でまとめました。月1回以上、管理者が以下の項目を確認することを推奨します。
| よくあるミス | 正しい対応 |
|---|---|
| 月4回を超えて算定している | 月次で算定回数を必ず集計し、上限管理を徹底する |
| 「欠席確認のみ」で算定している | 体調・状況・今後の見通しなど「情報収集」を必ず行い記録に残す |
| 記録に日時・対応者名がない | 「いつ・誰が・誰に・何を確認したか」を必ず明記する |
| 保護者ではなく本人のみと連絡している | 原則は保護者等への連絡。本人のみの場合は根拠を記録に残す |
| 算定日の翌日以降に記録を遡って作成している | 当日または翌営業日中に記録を完成させる。日付の整合性を保つ |
| 記録が箇条書きのみで内容が薄い | 収集した情報を具体的に記述し、支援に活用できる記録にする |
「記録を残す」というと負担に感じるスタッフも多いですが、定型の書式を事業所で統一して使えば、記入の手間はぐっと減ります。書式を整えることで算定漏れや算定ミスの防止にもなる。一石二鳥の取り組みだと思っています。
まとめ
欠席時対応加算は、算定要件を正しく理解して適切な記録を残すことで、安定的に算定できる加算です。ポイントを再確認しましょう。
- 算定単位数は94単位/回、上限は月4回
- 欠席確認だけでなく体調・状況の情報収集が必須
- 記録には日時・対応者・連絡先・確認内容・今後の対応の5項目を明記
- 記録は当日または翌営業日中に完成させる
- 月次で算定回数の上限管理を行う
欠席時の電話対応は、単なる加算算定の機会にとどまらず、利用者の生活状況を把握し、個別支援計画の見直しや保護者支援につなげる重要な機会でもあります。記録の質を高めることが、支援の質の向上につながります。



コメント