「すぐかっとなって手が出てしまう」「ちょっとしたことで大爆発する」——そんなお子さんの姿に、毎日ヘトヘトになっているお父さん・お母さんはいませんか?
実は、怒りのコントロールが難しい子どもには、脳の特性が深く関わっていることがあります。「わがままだから」「しつけが足りないから」ではありません。子どもがコントロールしたくてもできない理由があるのです。
この記事では、発達障害・ADHDのある子どもへのアンガーマネジメント(怒りのコントロール)について、家庭や放課後等デイサービスで今日からできる方法をヒコ先生がわかりやすくお伝えします。
「怒り」は悪い感情ではありません。大切なのは、その怒りをどう扱うか。一緒に学んでいきましょう!
子どもの怒りはなぜ起きるのか
怒りという感情は、人間にとってとても自然なものです。しかし、発達障害やADHDのある子どもの場合、怒りのスイッチが入りやすく、しかも一度火がつくと消えにくいという特徴があります。
脳の「ブレーキ機能」が弱い
ADHDのある子どもは、前頭前野の働きが定型発達の子どもとは異なることがわかっています。前頭前野は「衝動にブレーキをかける」役割を持つ場所です。ここの働きが弱いと、怒りを感じた瞬間に行動が先に出てしまうのです。
たとえば、おもちゃを取られたとき。多くの子どもは「返して」と言葉で伝えますが、衝動性の高い子どもは言葉よりも先に手が出てしまうことがあります。これは「怒っているから意地悪をした」のではなく、ブレーキが間に合わなかったということです。
感覚が過敏で刺激を受けやすい
感覚過敏のある子どもは、大きな音・眩しい光・肌への触れ方など、日常のちょっとした刺激が「脅威」として脳に伝わります。その結果、身を守ろうとする反応が怒りとして出やすいのです。
気持ちを言葉にするのが苦手
自分の気持ちを言語化するのが難しい子どもは、感情を外に出す手段が「行動」しかないことがあります。「悲しい」「困っている」「怖い」という気持ちが、うまく言葉にならないために、すべてが「怒り」として表出してしまうのです。
怒りの裏には、必ず「本当の気持ち」が隠れています。「怒っているね」ではなく「何か嫌なことがあったんだね」と声をかけてみてください。
アンガーマネジメントとは?
アンガーマネジメントとは、怒りを「なくす」のではなく、怒りと上手につきあう方法を学ぶトレーニングです。1970年代にアメリカで生まれ、現在では学校や企業、医療・福祉の現場でも広く取り入れられています。
アンガーマネジメント 3つのステップ
- 気づく——自分が今怒っていることを認識する
- 間を置く——すぐに行動せず、少し時間をとる
- 選ぶ——怒りにまかせた行動以外の選択肢をとる
「6秒ルール」って知っていますか?
怒りのピークは、感情が発生してから約6秒間と言われています。この6秒をやり過ごすことができれば、衝動的な行動を防ぎやすくなります。
以前担当していた小学3年生の男の子は、「怒ったら6秒数えよう」と練習したら、トラブルの回数がぐんと減りました。最初は「1、2、3…」と声に出して数えていて、それがまたかわいくて(笑)
家庭・放デイで今日からできる5つの対処法
① 怒りの「温度計」を作る
怒りの強さを1〜5の数字で表す「怒りの温度計」を子どもと一緒に作ってみましょう。「3以上になったらその場を離れよう」など、数字をもとに具体的なルールを決めると、子どもも動きやすくなります。
② クールダウンスペースを用意する
怒りが高まったときに逃げ込める「安心の場所」を作ります。好きなクッションやぬいぐるみを置いて、「ここにいればOK」という場所にしてあげましょう。「そこに行ったことを叱らない」ことが大切です。
③ 「怒るのは当然」と認めてあげる
怒ったことそのものを否定しないことが土台です。「怒るのは仕方ないよ。でも、どうしたらよかったかな?」と、感情を受け止めてから行動について話し合う順序を心がけてください。
④ 怒りのトリガーを親子で整理する
「どんなときに怒りやすいか」を書き出してみましょう。パターンがわかると、事前に環境を調整したり、予告を入れたりする対策が取れます。「あと5分でゲームおわりにしようね」という予告一つで、切り替えが楽になる子は多いです。
⑤ 上手にできたときをたくさん褒める
「怒ったけど、手を出さなかったね。すごいよ!」——小さな成功体験の積み重ねが自己コントロール力を育てます。できたときには、大げさなくらい褒めてあげてください。
「怒らなかった」じゃなくて「怒ったけど止まれた」を褒めてあげてください。怒りゼロを目指すより、コントロールできた自分を誇れる子に育てることが大切です。
無料ツールで楽しく練習する
アンガーマネジメントは、頭で理解するだけでなく体験しながら練習することが大切です。ヒコブロでは、ゲーム形式で楽しみながら練習できる無料ツール「怒りのコントロールゲーム」を公開しています。
こんな子どもにおすすめ
- すぐかっとなって手が出てしまう
- 怒ったあとに後悔することが多い
- ゲームが好きで、楽しみながら学びたい
- 放デイでSSTとして使いたい
まとめ
- 発達障害・ADHDの怒りがコントロールしにくいのは、脳の特性が関係している
- アンガーマネジメントは「怒りをなくす」ではなく「怒りとうまくつきあう」スキル
- 6秒ルール・温度計・クールダウンスペースなど、今日から使える方法がある
- できたときをしっかり褒めることが、自己コントロール力を伸ばす近道
保護者の方も、毎日本当に頑張っていますよね。あなたが諦めずに寄り添っていること、それ自体が子どもの大きな力になっています。一緒に、ゆっくり進みましょう。
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おわり



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