夏休み明けに「学校に行きたくない」と言われたら|発達障害の子の行きしぶりサインと家庭での関わり方

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発達関係記事
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8月も後半にさしかかったある日、子どもがぽつりと「学校、行きたくない」ともらす。その一言に、胸がぎゅっとざわついた保護者の方は、きっと少なくないと思います。「またか」「どうしよう」「私の対応が悪かったのかな」——いろいろな思いが一気に押し寄せてくる時期です。

実は、夏休み明けの時期は、1年のうちでも子どもの「行きしぶり」や不登校に関する相談がもっとも増える時期だと言われています。つまり、いま同じように悩んでいるのは、決してあなただけではありません。まずはそのことを、お伝えしたいと思います。

ぽっち

ぽっち
「がっこう、いきたくないっておもうのは わるいこと…?」
ヒコ先生

ヒコ先生
いいえ、わるいことじゃないよ。「行きたくないな」と感じること自体は、その子の中に何かサインが出ている証拠なんだ。だから、まずは責めなくていい。今日は、そのサインの見つけ方と、おうちでの関わり方を一緒に見ていこうね。
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なぜ夏休み明けに「行きたくない」が増えるのか

夏休み明けに行きしぶりが増える背景には、いくつかの要因が重なっていると言われています。順番に見ていきましょう。

生活リズムの立て直しが追いついていない

夏休み中は就寝・起床の時間が乱れやすく、休み明け早々に「早起き」「決まった時間に集団行動」という生活へ、体がまだついていけないことがあります。特に感覚の切り替えに時間がかかりやすい子は、リズムのずれがそのまま「体のしんどさ」として表に出やすい傾向があります。

環境への再適応にエネルギーが要る

教室の音、人数、時間割、友達とのやりとり——夏休みで一度離れた環境に、感覚面や対人面で敏感な子ほど再適応にたくさんのエネルギーを使います。「学校が嫌い」というより「戻る作業そのものが重労働」という見方もできます。

夏休みは「原因」ではなく「気づくきっかけ」

実は、1学期のうちから疲れや困りごとが少しずつ積み重なっていて、夏休みという安心できる期間を経て、はじめてその本音が言葉になって出てくることも多いと感じます。夏休みが原因で行きたくなくなったというより、夏休みがあったからこそ、我慢していたものに気づけた——そう捉えると、少し見え方が変わってくるかもしれません。

ヒコ先生

ヒコ先生
支援の現場では、8月の終わりになると「うちの子、最近元気がないみたいで」というご相談が増えます。よくよくお話をうかがうと、実は1学期の終わり頃から少しずつ様子が変わっていた、というケースも少なくありません。夏休みが引き金というより、休みの間に心と体がゆるんで、本音が出やすくなった、と捉えることが多いですね。

見逃されやすい行きしぶりのサイン

「行きたくない」と、はっきり言葉にできる子ばかりではありません。言葉より先に、体調や行動のちょっとした変化としてサインが出ることがあります。次のような様子に、心当たりはないでしょうか。

サイン 具体的な様子
体の不調 朝になると頭痛・腹痛・気持ち悪さを訴える(昼以降は落ち着くことも)
眠りの変化 寝つきが悪い、夜更かしが増える、逆に朝どうしても起きられない
表情・口数の変化 口数が減る、笑顔が少ない、話しかけても上の空になる
曜日によるムラ 日曜の夕方から元気がなくなる、月曜の朝が特につらそう
身支度の変化 準備に時間がかかる、忘れ物や落とし物が増える
甘え・イライラの増加 些細なことで泣く・怒る、抱きついてくる時間が増える

ひとつだけでなく、いくつかが重なって見られるときは、心と体が少しずつSOSを出しているサインかもしれません。

「行きたくない」と言われたときの初期対応

実際にその言葉を聞いたとき、何から始めればいいか整理しておきましょう。

まず心がけたいこと

  • 「そうなんだね」とまず受け止める(否定・説得より先に)
  • 理由を根掘り葉掘り聞かない(本人もうまく言葉にできないことが多い)
  • 「休む」という選択肢があることを伝える
  • 欠席の連絡は、事務的に・淡々と行う(重い空気にしない)
  • 数日は様子を見る猶予を、子どもにも自分自身にも与える

「休ませる」ことを決めても、それがそのまま「今後ずっと休む」という意味にはなりません。まずは目の前の1日、心と体を休ませることだけを考えれば十分です。

やってしまいがちなNG対応

悪気はなくても、つい口にしてしまいやすい言葉があります。振り返るきっかけとして知っておいてください。

やってしまいがちな対応 避けたい理由
「みんな行ってるよ」 比較されると、行けない自分をより責めてしまうことがあります
「甘えでしょ」 甘えではなく、心や体からのサインであることが多いです
原因を問い詰める・尋問のように聞く 本人も理由がはっきり分からないことが多く、追い詰めてしまいます
登校できた日だけ褒める 「行けない日はダメな日」というメッセージになりやすいです

学校・放デイ・相談先との連携

この時期の対応は、家庭だけで抱え込まなくて大丈夫です。相談できる窓口はいくつもあります。

  • 担任の先生:日中の様子の共有、無理のない登校ペースの相談
  • スクールカウンセラー:本人・保護者どちらも相談可能。心理面のサポート
  • 放課後等デイサービス・児童発達支援:生活リズムや情緒面を継続的にフォローしてくれる場
  • 教育支援センター(適応指導教室):学校以外の居場所・学びの選択肢
  • 子ども家庭支援センターなどの相談窓口:家庭全体を含めた相談ができる場所
ヒコ先生

ヒコ先生
相談先はひとつに絞らなくて大丈夫です。学校と放デイ、両方に少しずつ様子を伝えておくだけでも、周りで見てくれる目が増えて、お子さんにとっての「逃げ場」や「頼れる先」が広がっていきますよ。

親自身が潰れないために

「休ませる」ことは、決して「甘やかし」ではありません。むしろ、子どもが今の自分の状態を伝えられたこと自体が、ひとつの力です。とはいえ、そばで支える保護者の心も、当然すり減っていきます。

  • 一人で抱え込まず、相談先を複数持っておく
  • 「私のせい」と自分を責めすぎない
  • 子どもの調子に波があるように、保護者自身の調子にも波があっていい
  • しんどいと感じたときは、自分自身のための相談も選択肢に入れる

行きしぶりへの向き合い方に、決まった正解はありません。ただ、「今すぐ元通りに登校させること」より、「この子が安心して自分の状態を話せる関係を保つこと」の方が、長い目で見て大切になる場面は多いように感じます。焦らず、今日できることから、少しずつ一緒に進めていきましょう。

ヒコ先生

この記事を書いた人|ヒコ先生

放課後等デイサービス・児童発達支援の現場に18年。児童発達支援管理責任者として、個別支援計画の作成から日々の療育、保護者支援まで携わっています。

社会福祉士/精神保健福祉士/公認心理師/児童発達支援管理責任者/相談支援専門員/医療的ケア児コーディネーター/児童指導員/成年後見人/ペアレントトレーニングリーダー養成研修修了者

おわり

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