「この子の発達について、もっと専門的なアドバイスが欲しい」「保護者に、診断前から相談できる場所を紹介したい」
そんなときに使えるのが発達支援センター(正式名称:障害者就業・生活支援センター/発達障害者支援センターなど)です。
ただ、一口に「発達支援センター」といっても種類があり、どこに何を相談するかがわかりにくいという声もよく聞きます。この記事では、教員・保育士・療育スタッフが知っておきたい発達支援センターの種類と活用法をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 「発達支援センター」の種類(発達障害者支援センター・児童発達支援センター等)
- どんな相談・支援が受けられるか
- 支援者として活用するシーン
- 保護者につなぐときの伝え方
「発達支援センター」という言葉は複数の機関を指すことがあって、私自身最初は混乱しました。整理してお伝えします!
「発達支援センター」は大きく3種類ある
名称が似ているため混乱しやすいですが、以下の3つは根拠法・対象・内容が異なります。
| 名称 | 対象 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 発達障害者支援センター | 発達障害の疑いのある方・家族・支援者 | 相談・助言・関係機関との連絡調整・研修 |
| 児童発達支援センター | 就学前(0〜6歳)の障害児 | 通所支援・保育所等訪問支援・地域支援 |
| 地域の発達相談窓口(市区町村) | 子ども・保護者・支援者 | 発達相談・アセスメント・サービス案内 |
発達障害者支援センターとは
都道府県・指定都市が設置(委託含む)する機関で、発達障害者支援法に基づいて設置されています。全国に約100か所以上あります。
支援者も相談できる
保護者だけでなく、「担当している子の対応について専門家に相談したい」という支援者・教員・保育士からの相談にも対応しています。
- 「ASDと思われる子への関わり方を教えてほしい」
- 「ADHDの特性がある子の授業への参加方法を知りたい」
- 「保護者に発達外来を受診してもらうための伝え方が知りたい」
このような相談に、専門の支援員(心理士・社会福祉士など)が対応してくれます。
研修・出張相談も行っている
学校・園・事業所に出向いての「出張相談」や、「支援者向け研修」を行っているセンターも多いです。年間計画に組み込んでおくと、スタッフの専門性向上につながります。
児童発達支援センターとは
就学前の障害児が通所して療育を受ける事業所の中でも、地域全体の療育の中核機能を担う拠点として位置づけられています(2024年度制度改正)。
保育所等訪問支援が使える
児童発達支援センターは「保育所等訪問支援」を実施できます。これは、専門スタッフが保育所・幼稚園・小学校などに出向き、現場スタッフへの助言・支援を行うサービスです。
- 「うちのクラスに来てアドバイスしてほしい」という依頼ができる
- 子どもの受給者証が必要(保護者の申請が前提)
- 支援者にとっては「専門家の目で見てもらえる」貴重な機会
「保育所等訪問支援」は保護者が申請するサービスですが、先生から「こういうサービスがありますよ」と提案してもらえると保護者は助かります。支援者から積極的に案内することで、使える家庭が増えます。
支援者が活用するシーン別まとめ
| こんな時は… | どこに連絡? |
|---|---|
| 発達障害の関わり方を専門家に聞きたい | 発達障害者支援センター |
| 学校・園に専門家に来てもらいたい | 児童発達支援センター(保育所等訪問支援) |
| 保護者に受給者証の取り方を教えたい | 市区町村の障害福祉課・子育て支援課 |
| 家庭環境が心配(深刻ではないが…) | 子ども家庭センター |
| 虐待の疑いがある(緊急性あり) | 児童相談所(189番) |
保護者につなぐときの伝え方のコツ
「発達相談センターに行ってみては?」と伝えるだけでは、保護者は「うちの子に問題があると思われている…」と感じることがあります。
伝え方の例
- ✗「発達の問題があるので相談に行ってください」
- ✓「お子さんのことをもっとよく知るために、専門家の意見を聞いてみませんか?診断がなくても相談できますし、親御さんが楽になるヒントをもらえることも多いですよ」
「診断を決めに行く場所ではなく、子育てのヒントをもらう場所」として紹介すると保護者が受け入れやすくなります。
保護者の体験談
👤 体験談(保護者・Nさん)
「年長のとき、幼稚園の先生から『発達支援センターに一度相談してみませんか』と言われました。最初は不安でしたが、先生が『診断を決めに行く場所じゃなくて、就学に向けてどう準備するかを一緒に考えてくれる場所ですよ』と丁寧に説明してくれて。行ってみたら心理士さんがアセスメントをしてくれて、就学相談のアドバイスや支援学級の情報ももらえました。あのとき先生が声をかけてくれなかったら、何も準備できないまま小学校に入っていたと思います。」
※個人が特定されないよう一部変更しています
まとめ
- 「発達支援センター」は①発達障害者支援センター ②児童発達支援センター ③市区町村の窓口 の3種類がある
- 発達障害者支援センターは支援者からの相談も受付・研修も提供している
- 児童発達支援センターは保育所等訪問支援を通じて現場に来てもらえる
- 保護者につなぐときは「診断ではなくヒントをもらう場所」として紹介すると受け入れられやすい
- どの機関につなぐか迷ったら、シーン別の表を参考に
おわり



コメント