「今どんな気持ち?」と聞いても「わからない」「ふつう」としか答えられない子に、感情を1〜10の数字で表す「気持ちの温度計(感情スケール)」が有効です。
この記事では、気持ちの温度計の使い方・子どもへの教え方・無料で使えるデジタルツールを現役社会福祉士が解説します。
ヒコさん(現役社会福祉士)
感情の言語化が難しい子にとって「数字で表す」という方法は非常に有効です。放デイや特別支援学級で毎日使えますよ。
感情の言語化が難しい子にとって「数字で表す」という方法は非常に有効です。放デイや特別支援学級で毎日使えますよ。
Contents
気持ちの温度計(感情スケール)とは?
気持ちの温度計とは、今の感情の強さを1〜10の数値で表すツールです。「感情温度計」「こころの温度計」とも呼ばれます。
発達障害(ASD・ADHD)のある子や感情表現が苦手な子は、「怒っている」「悲しい」という言葉で感情を伝えることが難しいことがあります。数字を使うことで、感情の種類だけでなく「どのくらい強いのか」が伝えやすくなります。
📌 感情スケールの基本
- 1〜3:穏やか・落ち着いている
- 4〜6:少しざわざわ・中くらいの感情
- 7〜9:強い感情・興奮・怒り・不安
- 10:パニック・コントロール困難な状態
誰に・どんな場面で使える?
| 使う場面 | 効果 |
|---|---|
| 放デイの活動前後チェック | 感情の変化を「見える化」し、支援者が介入タイミングを判断できる |
| 特別支援学級の朝のルーティン | 1日の始まりに気持ちを確認し、活動の調整に活かせる |
| 癇癪・パニックの予防 | 「今7くらい」と言えると、爆発前に大人がサポートに入れる |
| 家庭での会話のきっかけ | 「今日の気持ちは何点だった?」が保護者との会話を広げる |
| 個別支援計画の目標設定 | 「7以上になったら先生に伝える」など具体的な行動目標を立てやすい |
子どもへの教え方・導入のコツ
初めて使う子どもには、いきなり「数字で表して」ではなく、段階的に導入します。
1
まず「3段階」から始める
「穏やか・少しざわざわ・すごくざわざわ」の3段階で練習。慣れたら10段階に広げます。
「穏やか・少しざわざわ・すごくざわざわ」の3段階で練習。慣れたら10段階に広げます。
2
支援者も一緒に答える
「先生は今5くらいだよ。あなたは?」と支援者がモデルを見せることで子どもが使いやすくなります。
「先生は今5くらいだよ。あなたは?」と支援者がモデルを見せることで子どもが使いやすくなります。
3
高い数字を「悪いこと」にしない
「7と言えた」こと自体を褒めます。数字が高くても、伝えられたことがゴール。
「7と言えた」こと自体を褒めます。数字が高くても、伝えられたことがゴール。
4
毎日同じ時間に使う
ルーティン化することで「チェックする習慣」が身につきます。朝のHRや活動開始前がおすすめ。
ルーティン化することで「チェックする習慣」が身につきます。朝のHRや活動開始前がおすすめ。
無料で使えるデジタル版「気持ちの温度計」ツール
インストール不要・登録なしで使えるブラウザ版の感情スケールツールを無料公開しています。
ツールの特長:
- 1〜10のスケールをタップ・クリックするだけ
- 感情の種類(嬉しい・怒り・不安など)も同時に選べる
- スマホ・タブレット・PCすべてで動作
- 登録不要・完全無料・施設利用もOK
個別支援計画・支援記録への記載例
気持ちの温度計を支援に取り入れた場合の記録・目標文例です。
【個別支援計画の目標文例】
- 感情スケールを使って、自分の気持ちの強さを1〜10で表現できる(週3回以上)
- 感情スケールが7以上になったとき、支援者に「○番です」と伝えられる
- 活動前後に感情チェックを行い、気持ちの変化に気づく力を育てる
【支援記録の記載例】
「活動開始前に感情スケールを確認。本児は『7』と回答。支援者が寄り添い声かけを行ったところ、15分後に『4』まで下がりを確認。活動に参加できた。感情の数値化が定着してきており、今後は自己申告の場面を増やしていく。」
よくある質問 Q&A
まとめ
- 気持ちの温度計は感情の強さを1〜10で数値化するツール
- 感情表現が苦手な発達障害の子に特に有効
- 放デイ・特別支援・家庭でルーティン化するのがコツ
- 「高い数字を言えた」こと自体を褒めて習慣化する
- 無料デジタルツールはブラウザで即使用可能
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