「話しかけても反応が薄い」「気持ちをうまく言葉にできない」「一方的に話すばかりで会話のやりとりが難しい」――発達障害のあるお子さんに関わる方からよく聞かれる悩みです。
コミュニケーションの難しさは、言葉が遅れているからだけではありません。声の使い方、相手の意図の読み取り、話す順番の理解など、様々な要素が関わっています。
📋 この記事でわかること
- コミュニケーションが苦手な理由(特性の視点から)
- 場面別の具体的な支援の工夫
- AAC(拡大・代替コミュニケーション)の考え方
- デジタルツールを使った練習法
Contents
発達障害とコミュニケーション
ASD・ADHD・発達性言語障害など、発達特性によってコミュニケーションの困りごとは様々です。
| 困りごと | 背景にある特性 | 主な支援アプローチ |
|---|---|---|
| 話しかけられても答えにくい | 言語処理に時間がかかる・感覚過敏 | 待つ・指示を短くする・視覚化 |
| 気持ちを言葉にできない | 感情の言語化が苦手 | 感情カード・スケール・モデリング |
| 会話が続かない・一方的 | ターンテイク(交互のやりとり)の理解 | ルール化・視覚的サイン・練習 |
| 集団の中で発言できない | 場の読みの困難・不安の高さ | 個別で練習→少人数→集団へ |
| 言葉は出るが伝わらない | 話の構成・文脈の理解が苦手 | 5W1H・順序の練習 |
場面別!コミュニケーション支援の工夫
話しかけられてもうまく答えられない子に
まず「答えにくい理由」を考えましょう。言語処理に時間がかかる子には「十分な待ち時間」が必要です。
- 質問は短く・一つずつ(「今日学校でどうだった?楽しかった?何してた?」はNG)
- 「はい/いいえ」で答えられる質問から始める
- 答えの選択肢を2〜3つ見せる(「ジュースと牛乳どっちがいい?」)
- 焦らず10秒以上待つ。その間に「難しい?」と確認するのもNG
気持ち・要求を言葉で伝えられない子に
言葉がなくてもコミュニケーションは取れます。AAC(絵カード・ジェスチャー・タブレット)を活用しましょう。
- 「痛い」「嬉しい」「困った」など基本感情の絵カードを常備する
- 感情スケール(こころの温度計)で「今の気持ちの大きさ」を伝える
- 「欲しい」「やめて」「助けて」など要求語を先に増やす
- 言葉が出なくても体の動き・表情を積極的に読み取り代弁する
会話が続かない・一方的になる子に
「会話はキャッチボール」と頭では分かっていても、ターンテイク(交互のやりとり)のルールは練習が必要です。
1
ルールを視覚化する
「話す人が持つカード」を用意し、カードを持っている人が話す番であることを明示する
「話す人が持つカード」を用意し、カードを持っている人が話す番であることを明示する
2
短いやりとりから練習する
1往復(言う→返す)→2往復→と少しずつ伸ばしていく
1往復(言う→返す)→2往復→と少しずつ伸ばしていく
3
デジタルツールで繰り返す
会話ターンテイクトレーニングツールで、ゲーム感覚で練習する
会話ターンテイクトレーニングツールで、ゲーム感覚で練習する
集団の中で発言できない子に
集団での発言は、多くの情報処理が必要で高ハードルです。「個別→小グループ→集団」の段階的なアプローチが有効です。
- まず1対1で同じ内容を話す練習をする
- 「言いたいことを書いてから話す」形式を取り入れる
- 発言のタイミングをあらかじめ伝えておく(「5番目に当てるね」)
- 短い発言でも必ず認める(「教えてくれてありがとう」)
デジタルツールを使ったコミュニケーション練習
繰り返し練習できて、失敗しても傷つかないデジタルツールは、コミュニケーション支援の強い味方です。
🎮 おすすめツール
- 5W1H 質問・説明トレーニング|「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうした」を使って話す練習
- 会話ターンテイクトレーニング|交互に話す・聞くルールをゲームで練習
- 受容言語・指示理解トレーニング|口頭の指示を正確に理解する力を育てる
- 語彙力・言葉マッチング|言葉の意味と場面をつなげる練習
- 感情認識カードゲーム|表情から気持ちを読み取る練習
ヒコさん
「話せない」のではなく「話し方が分からない」「タイミングが分からない」ことが多いんです。私が支援してきた子も、繰り返しのロールプレイとデジタルツールで練習したら、少しずつ「ちょっと待ってください」「〇〇してほしいです」が言えるようになりました。
「話せない」のではなく「話し方が分からない」「タイミングが分からない」ことが多いんです。私が支援してきた子も、繰り返しのロールプレイとデジタルツールで練習したら、少しずつ「ちょっと待ってください」「〇〇してほしいです」が言えるようになりました。
よくある質問
まとめ
- コミュニケーションの困りはひとつではなく、場面ごとに原因と対処法が異なる
- 「待つ・短くする・視覚化する」が基本の支援スタンス
- 言葉がなくても絵カード・AAC等で「伝える力」を育てられる
- デジタルツールを使えば繰り返し練習できて定着しやすい
- 家庭・学校・療育が連携して一貫したアプローチを取ることが大切
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おわり


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